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2017年11月13日
お隣さんの騒音や悪臭、なんとかできないものなの?

当事務所は、ご近所トラブルのご相談もよくあります。

ご近所トラブルのご相談で圧倒的に多いのが、騒音、

次に、ペットやたばこ等の悪臭

が挙げられます。

 

ご相談者の方にとっては、騒音や悪臭は、毎日のことであり、

不快感、嫌悪感や恐怖感を通り越して、

精神的障害の被害を生じておられる方もいらっしゃいます。

 

高度にプライバシーを重視する社会になったことにより、

ご近所トラブルはより深刻化しているでしょう。

従って、私は、ご近所トラブルは侮ることができない

大きな法律問題であると考えています。

 

では、どのような場合に、損害賠償や差止請求ができるのでしょうか?

 

人間はそれぞれ感受性に違いがあります。

1人でも不快な音や臭いを感じたら、

それはおよそ全て違法という評価を受けて

損害賠償や差止請求ができるとしたら、

人間が共同で社会を構成して生活をしていくことは

できなくなってしまいます。

 

そこで、実務では、騒音や臭いのような生活妨害の違法性の判断においては、

不利益を訴える人がいたとしても全て違法として

損害賠償や差止請求を認めるのではなく、

一般生活上受忍すべき限度を超えているかどうかを判断し、

その限度を超えた場合について違法とするという

いわゆる「受忍限度論」に従って判断されることが多いです。

 

受忍限度にあるかどうかの基準としては、

・侵害行為の態様、程度、

・被害の内容、程度、

・公法上の規制との関係

・地域性

・被害者の生活状況と侵害行為との関係

・土地(建物)利用の先後関係

など、さまざまな考慮要素をもって、判断されます。

 

ただ、この受忍限度論という基準も、

実際のケースに当てはめてみても、

受任限度を超えているかどうかを明確に判断できるものではありません。

非常にあいまいな基準であるといえます。だからご近所問題は難しいのです。

 

また、たとえ、受忍限度を超えていると判断されても、

即、裁判に訴えるというのも、適切な解決手段とは思えません。

ご近所というのは、今後も長くつきあっていく関係にあります。

裁判に訴えて、判決貰って、終わりという関係ではありません。

だからこそ、お互いにしこりを残さない解決手段はないかどうか

非常に慎重に、解決手段を模索する必要があるのです。

ご近所問題は難しいのです。

 

ご近所トラブルにお悩みの方、一度、当事務所にご相談されてください。

相談されるだけでも、少しは気が楽になったとおっしゃる方も

いらっしゃいます。