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2021年03月23日
情報取得手続制度(預貯金債権)・・・債権回収を確実に・・・

判決や和解調書、公正証書などの債務名義はあるけど、相手方が、その書面どおりに支払わない場合、通常、相手方名義の銀行預金を差し押さえる強制執行を申し立てて、

債権回収を図ることが、考えられます。

 

その場合、こちら側(強制執行を申し立てる側)が、相手方名義の銀行預金については、

〇〇銀行〇〇支店まで、特定をする必要がありました。

裁判所が調べてくれるということはなかったのです。

 

ですから、相手方がどこの銀行のどこの支店に口座を持っているかわからない場合、

申立人としては、〇〇支店に口座を持っているだろうと、

予想して申し立てをせざるを得ず、強制執行が功を奏しないこともよくありました。

また、〇〇支店に口座を持っていることまでは分かっていても、

差押時にその口座の残高がほとんどゼロであり、強制執行が失敗に終わることも

よくありました。

 

そこで、令和元年に、民事執行法の制度として、「第三者からの情報取得手続」という手続が新設されました。

上記のように、相手方名義の預金債権を差し押さえて強制執行をしようとする場合、

強制執行を申し立てる前に、この手続きを利用して、裁判所を通じて、

相手方名義の銀行預金の有無、残高を確認することできることとなったのです。

 

この手続は、申立人としては、情報の開示を求める銀行は特定する必要がありますが

支店名までは特定する必要がありません。また、複数の銀行に同時に情報開示を求める

ことができます。

ですから、1つの情報取得手続によって、

例えば、都市銀行3行や地方銀行2行に、相手方名義の預金口座があるかどうか、

あるとしたら、どこの支店に、いくら残高があるかを開示してもらうことが

できるようになったのです。

 

また、この預貯金債権についての情報取得手続は、財産開示手続を経る必要がないので

(不動産や給与債権の情報取得手続は、財産開示手続を経る必要があります)、

相手方に知られずに、この手続を行うことができます。

 

もちろん、銀行から開示される情報は、調査日時の情報ですから、

その後に、資金移動があり、強制執行申立後の差押時には、

預金残高がなかったというリスクもありますが、

これまでの、いわゆる一か八かの強制執行よりは、

格段に回収の可能性が高まったといえると思います。

 

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